三十三間山風力発電事業計画の現実を知ってください 2022年10月,河合嗣生 |
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![]() 滋賀県高島市と福井県県境の大日岳(750.8m)から三十三間山(842m)、轆轤山(662.3m)までの尾根約7km渡って、ブナ林を伐採・地面を造成し設置される風力発電用風車計画があります。風力発電機は、高さ180m、全17基が計画されています。また現在、三十三間山から轆轤山に向けての草原に風況観測塔が建てられています。 ![]() ![]() この山域を歩かれた方も少なくないと思います。この一帯は、ブナの美しい森が広がり、天然の杉が生育し、希少な植物や昆虫類、中でも大型の猛禽類イヌワシやクマタカなどが生息する地域です。
大型猛禽類にとっては、風が尾根にぶつかって生まれる上昇気流を使って飛翔すること。また尾根筋にある「草地」が格好の餌場になっていることなど、大型風車の建設による地形の改変や植生の変化が、イヌワシやクマタカなどの生息に大きな影響を与えることは明らかです。
今回の整備計画への意見書(10月末日締め切り)をまとめるために、今津山上会、高島トレイルクラブ、マキノ自然観察倶楽部のみなさんや、環境カウンセラーの方、新聞記者さん、高島市議の方とともに、事業計画地の植生や鳥類、地形的な状況を確認しながら現地を歩きました。
![]() ![]() また地元・天増川で猟をされている方から、冬に猟に上がるとイヌワシ、クマタカがよく飛んでおり、鹿を撃つとそれを取りに降りてくる、という貴重なお話しも聞くことができました。
さらに若狭町倉見から酒波寺へと続く近江坂古道についても、その歴史や今津山上会の保全活動についてもお話しを聞くことができました。
これらのことから単に豊かな自然が残る場所というだけでなく、過去から現在に至るまで地域の方と密接に関係し、大切にされてきた場所であることを知ることができました。
風車設置は、希少な動植物の生息への影響だけでなく、地域の気象変化を起こし、下流域の災害をも生み出すものです。
どうか、皆さんもこれらの大規模風車計画を耳にした時は、「反対応援」よろしくお願いします。
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