Latest update: May 14, 2024
比叡山峰道を歩く:2024年4月28日,参加者 12 名
 今回は「仏教の総合大学」とも例えられる比叡山にケーブルカーを使っての山行.
 それぞれの都合でケーブル坂本駅に集合し9時のケーブルカーに乗車する.このケーブルカーは昭和2年に作られた日本で一番長い2,025m.徒歩だと約2時間掛かる急斜面を11分で上がる.
 到着した延暦寺駅からは琵琶湖が一望できる.晴れると御嶽山まで見えるが今日は春霞で遠望できず残念.
report report
 駅から歩いて10分弱で延暦寺東塔 根本中堂着.まずは世界平和を祈願.お堂は平成(?)の大改修で覆いの中であるが,屋根を檜の小板を木釘で打ち付ける様子など,貴重な技術の継承が見られた.あとどのくらいの作業で完成するのか・・・
report report
 この後 大先輩であるご夫妻とはお別れ.少し体調に不安を感じるとの事.無理せず中断する勇気は見習いたい.
report report
report
 さて,ここから西塔を経て横川中堂まで「奥比叡ドライブウェイ」と並行する峰道を行く.天気予報では今日の京都の温度は30度とか.でも650m上の山上では心地よい気温である.八重桜,枝垂れ桜,ツツジ,藤,青紅葉と見事な花見道中である.
 適度なアップダウンを楽しみながら快調に進む.東海道自然道でもあるが,ここは峰道.荒行で有名な千日回峰者(以下行者)が歩まれた道で整備されている.
 千日回峰行.一度始めたら止めることは許されず,天候に関係なく草鞋履きで猿のごとく山を駆け巡り,約7年に及び毎日,毎日祈りを捧げる.

 今までに何人の行者がこの道を歩かれたのか・・・と考えていると「あ,ヤマガラ」との一声.たちまち皆から「あの声は?」「メジロ」「あれは?」「シジュウカラ」と即答.いろいろ教えてもらったが,少し違う鳴き声だともう分からない.わかるのはウグイスだけ.
 ワイワイ鳥や花の名前を教わりながら11時半に玉体杉に到着. 眼下に京都市内が一望できる.この玉体杉の横にある蓮台石が回峰行中唯一腰をおろすことが許され,御所に向かって祈る場所である.
report report
 ここで昼食を取るが,だれも蓮台石には腰掛けず座り心地の良い場所を探す.ちなみに,玉体杉は一つの根から3本の杉が生えており,「杉」は日本固有の樹木であると記されていた.荷物が軽くなったところで次の目的地に出発.
 木陰の気持ち良い道を進むが途中でドライブウエイを渡ることに.幸い車が少なくユックリ渡れたが,「ここを通るのは狸か狐?」と思うトンネルがあり,人間様も本来ここを通るのであろう.そうこうするうちに駐車場が見え横川区域の入り口である.
 多くの観光客に交じり横川中堂,ミイラのような絵の角大師のお札が有名な元三大師堂を巡りいよいよ日吉大社への下りにかかる.
report report
 さすがに下りでは口数は減るが「九輪草が咲いている」「テンナンショウとマムシグサは一緒?」「僧兵が神輿担いで御所へ向かい朝廷に文句言うたんや」など会話を聞くだけで勉強になる.
 一時間ほどで日吉大社奥宮の八王子に着く.ここに二体の神輿が祀られ,四月の山王祭には松明の灯だけを頼りに神輿を担いで急坂を駆け降りる.しかし私は這う這うの体で下った.
report report
 3時半 天台宗の護法神でもある日吉大社に到着.日吉大社と比叡山を繋ぐ道が行者道である.私たちもなんとか一周できた.見上げた先に小さく八王子社が見える.
report report
report report
 もしケーブルを使っていなければ日暮れまでに下山できていなかったかも知れない.この企画に感謝!

☆☆☆根本中堂でお別れしたご夫妻から報告をいただきました☆☆☆
 山王院,浄土院,釈迦堂と西塔地域を回り玉体杉を経て横川バス停に2時に到着しました.夫はここで休み,私は横川地域の横川中堂から元三大師堂を回りました.その後比叡山山頂駅から出町柳経由で帰りました.24,000歩,歩いて疲れました.
 夫の希望により報告します.