南アルプス 北岳 3,193m:2024年7月28日~30日,参加者 6 名 |
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7月28日(1日目): 朝7時半に京都を出発して途中岐阜県多治見で2名をP/UPして新東名を走る.静岡から中部横断自動車道に入り北岳の登山基地の芦安に向かう.
北岳は過去3回企画しましたが天候の問題で中止になり,昨年は1時間位登りだしましたが,豪雨の中を下山した苦い思いの山です.
芦安で予約しておいたタクシーに乗り40分程で鳳凰三山と北岳の谷間にある,北岳登山口の冷気溢れる広河原山荘に15時頃に到着.熱波の下界の道中から解放され,標高1,530mの澄んだ冷気を楽しむ.山荘に到着した後,隣の環境省の施設で登山情報を収集.今日は稜線部では風が相当強いが明日は収まり登山日和になりそうとの事であった.
広河原山荘はホテル並みの設備で快適な山荘で,入浴後夕食までの間ビールと持ってきたウイスキーで小宴が始まる.夕食は昨年と同じで分厚いポークステーキで明日からのエネルギー補充には十分美味しい夕食でした.お腹も満腹になり7時過ぎには明日のために早い目に床に就きました.
追伸:21年前(
2003年8月1日〜4日),JAPのみなさんと登った北岳,間ノ岳の楽しい山行を思い出しました. 7月29日(2日目): 北岳(3,192.5m)リベンジ!
朝,眼が覚めて窓の外を眺めると,すがすがしい青空!!!
やったぁ~.心躍らせ,早朝6:00に広河原山荘(1,530mくらい)を出発.まずは,白根御池小屋(2,240mくらい)を目指して登山開始.しばらく,なだらかな道が続くも,すぐに急な登りに.登山道の両脇には,いたるところカニコウモリ.葉がカニの甲羅に似ているからの命名か,葉の間から白いかわいい花を咲かせていました.途中,ちょっとしたハプニングがあるも,無事,白根御池小屋9:00到着.小休止.
いよいよ,白根御池の横の「草スベリ」と言われる草原状の登山道へ.これがなかなかの急登.登山道の脇に,マルバダケブキの群生のほか,タカネナデシコ,ハクサンフウロ,タカネグンナイフウロなどのかわいい高山植物が咲き誇り,汗だくでヘロヘロの筆者を癒してくれました.後ろを振り向くと,早川尾根や地蔵岳,観音岳などの美しい姿,北岳バットレスの下当たりには雪渓.感激の景色. さらに登っていくと,なんと!富士山頂がにこやかに?顔を出してくれました.ご夫妻と「キャーキャー」叫んでいると,上から下山してきた若いおにいちゃんが,「上は(富士山🗻)丸見えですよ」と.
疲れも吹っ飛び,さらに登ると,ハイマツなどの低草地帯となり,右手に小太郎山,甲斐駒ヶ岳を見ながら,宿泊予定の北岳肩の小屋(3,000mくらい)へ.
12:00前後に到着.ここで,昼食などを取ったり,お昼寝したり(筆者は絵葉書を書きました),ちょっとした休息後,13:15頃,北岳山頂に向けて出発.
北岳山頂まで,さらに急登,風が強くしっかり踏ん張りながらの登り.ここでも癒されたのが,紫のチシマギキョウ(こんなに風の強い場所,岩陰にけなげに花を咲かせて,植物はすごい!),それになんと言っても初めて見る白い花チョウノスケ(なんとかわいい!),紫とピンクの混ざったような色のヨツバシオガマ,タカネシオガマ,明るい紫のミヤマオダマキ,白いトウヤクリンドウ,チングルマ,お花の天国! 【チョウノスケソウ】 14:00頃,北岳(3,192.5m)山頂到着!!!
360度の眺望.富士山から左回りに鳳凰三山,その向こうに八ヶ岳,甲斐駒ヶ岳,仙丈ケ岳,遠く北アルプス,間ノ岳,農鳥岳,素晴らしすぎて言葉が見つからない.
しばらくは山頂付近で思い思いにのんびりした後,北岳肩の小屋まで下山.と,その途中で同行者が見つけてくれはったのが,タカネマンテマ!(拍手拍手!)南アルプス特産種とか.ちょっと小悪魔みたいな花です.感激!
肩の小屋到着後(15:30頃)は,生ビールで乾杯!最高~!!!
1杯1,000円の生ビール
夕食後は,夕日を浴びた富士山の方向に,ブロッケン現象(太陽などの光が背後から差し込み陰の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され,見る人の影の周りに虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象・『ウィキペディア(Wikipedia)』より)を見ることができました.貴重な体験でした.
素晴らしい,またとない一日を,ご一緒いただいた皆さん,本当にありがとうございました.
※ちょっとだけ残念だったのが,クロユリを見つけられなかったこと.リーダーさんがけっこう気をつけて探してくれはったのですが.次回の山行きの楽しみです. 7月30日(3日目): 一晩中,強い風が吹いているのを感じながら迎えた朝4時半頃,光が広がり始めると,富士山がくっきりと山頂から裾野まで全貌を見せてくれました.
![]() ![]() 5時前から朝食をいただき,お昼のお弁当を受け取って,小屋の外に出てみると一面ガスで真っ白,全く何も見えず,ついさっきのご来光の素晴らしい景色はどこにいったのでしょう.昨日頑張って北岳登頂を達成したので,今日は登ってきたルートと少し違う大樺沢二俣コースで白根御池小屋に向かって下山します.
5:40 重い脚に頑張ってねと気持ちを込めて,肩の小屋をいざ出発.台風かと思うような強風です.気温も13度で,手袋も必要です.
歩き出して直ぐにガスがさーっと晴れて,朝のすがすがしい表情の山々が姿を現わしてくれました.もちろん富士山も.何回も何回も写真を撮っているのに,わあー,綺麗とまたスマホを出してしまいます. (右の花はマルバダケブキ)
下りが苦手な筆者は,やはり花が大好きで下りが苦手な者同士,一緒に最後尾を歩きながら花の写真をいっぱい撮りました.昨日,肩の小屋まであと一踏ん張りと登ったときには味わえなかった花々が今日は思う存分楽しめます.
素晴らしい晴天に恵まれ,小太郎尾根分岐から少し行ったところで,右俣コースに入ります.昨日とは風情の異なる植生を楽しみながら進むと,1時間ぐらい歩いた所に山道の両側一面がマルバタケブキの群生地になりました.まさに花盛りです.
少し下るとニホンジカの食害から高山植物を守るため植生保護柵が施されていました.
1時間ほど歩いたところでリュックを下ろして休憩です.寒がりの私も上着を脱ぎました. 少し歩くと目の前に雪渓が現れました.また,感動して写真.雪渓を間近に見て自然の雄大さを感じます.
歩き出して約2時間で二俣に到着.広河原まで2時間10分の立て札.そしてさらに30分ほど下って,白根御池小屋に到着.まだ8時半前ですが,早々にお昼ご飯のお弁当.寿司飯に鰯の煮つけや色とりどりの野菜がのったお花畑弁当でした.ここではしっかりと休憩.
ずっとずっと下りです.もう脚がくたくたです.私は踏ん張れず何度もしりもちをついています.30分前後で小休止,水分補給をしながら,出発から5時間で広河原まで無事下山しました.ワーイ,ヤッター,念願の北岳登山.バンザーイ.
乗合タクシーの席にどっかり座ると芦安の第二駐車場まで40分.直ぐ脇にある温泉で汗を流し,牛乳やジェラートを思い思いに口にして,リーダーさんの自動車で帰途につきました.
本当に楽しい3日間でした.何より天候に恵まれ,最高の眺望でした.昨年,雨で苦労された皆様には申し訳ないほど,北岳を満喫させていただきました.ありがとうございました. |