大原野森林公園:イチリンソウとヤマブキソウ:2025年4月19日,参加者3名 |
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![]() 8:10 JR長岡京駅で1人,8:15 長岡京市の消防署の前で1人をピックアップ,参加者3名の山行.天気は曇り時々晴れ,気温29度の夏日.さっそく北へ向かいR9に入り,老ノ坂峠を越えて亀岡市へ⇒府道6号線で森林公園へ向かいました.
手入れされた棚田の里山風景が続き,田んぼは田植えの準備が進んでいました.休耕田,荒れ地がほとんどなく,棚田を大事に守られ続けているのがわかります.キジの姿もちらっと見ました.車はどんどん山奥へ向かい,9:20 大原野森林公園に着きました.
私たちを迎えてくれたのは,山桜の花吹雪とウグイスの美声.早緑の新芽が萌えはじめた山はなんとも言えない美しさで,木々を仰いでは「きれい!」と感嘆した3人.希少種の花々にもたくさん出会えて,「いいときに来られてよかったわ」を連発,満足度99%(青空ならば100%)の山歩きとなりました. ミヤコアオイとその花
9:30,まず森の案内所から,高野川沿いの道を上流に向かい出発.高齢者3人なのでゆっくり,超スローペースで観察しながら歩き始めました.雑木林の斜面にはミヤコアオイ,ニシキゴロモ,スミレ.
![]() 左から,ニシキゴロモかな?キランソウかな?,スミレ
竈ヶ谷ルートの川を渡るとすぐに薄暗い杉林となり,苔むした倒木が横たわる道が続き,ミヤマカタバミ,チャルメルソウ,ヤマシロネコノメ(絶滅危惧種)がひっそりと咲いていました.川のせせらぎを聞きながら登っていくと,新緑がまぶしい雑木林になり,ニリンソウ,イチリンソウ,ヤマブキソウ(絶滅寸前種),ヒトリシズカ,トウゴクサバノオ(準絶滅危惧種),ヤマハコベ,ヤマルリソウ,ムラサキケマンなど,次々と出現.
左から,ミヤマカタバミ,チャルメルソウ,ヤマシロネコノメ ![]() ![]() ![]() 左から,ニリンソウ,幼いイチリンソウ,イチリンソウ 左から,ヤマブキソウ,トウゴクサバノオ,ヒトリシズカ ![]() ![]() 左から,ヤマハコベかな?ミヤマハコベかな?,ヤマルリソウ,ムラサキケマン
防鹿ネットの中で,多くの花々が咲き誇っていて,もったいないほど豪華な競演.ヤマシャクヤク(絶滅危惧種)のつぼみもあり,オオキツネノカミソリ(要注目種)の大群落もあり《花の時期にまた訪れたい!》,希少種の残る谷一帯は,植物の多様性がとても高く,初めて見る山野草が複数ありました.
![]() 左から,ヤマブキソウとハコベとムラサキケマン,不明(?!),オオキツネノカミソリ トカゲには何度も遭遇,コツバメやホバリングするビロードツリアブも見かけました.シジュウカラやウグイスの美声を聞きながら,休憩は複数回(水分補給,体力回復のため必須).「こんな例会は初めてや.ええなあ.」の声.
川を渡ること約8回? 3人とも滑らず無事に切り抜けました.
可憐なヤマルリソウを見たあと,11:30 頃昼食休憩.
休憩の後,計画にはなかったけど,ポンポン山のカタクリも見に行くことになりました.フクジュソウ観察園の横の急坂を登り,リョウブの丘を経て,カタクリの保護地へ向かいました.斜面にびっしりと咲き誇るカタクリは圧巻で,花の大きさにも驚きました(小塩山よりきれいかも).シハイスミレも多数.防鹿ネットの中と外では大違いです.防鹿ネットがなければ,カタクリの群落はとっくに消滅していることでしょう.保護活動をされている方々に感謝です. ポンポン山(678m)に登り,西尾根ルートで下山しましたが,このルートはコバノミツバツツジが満開で,それは,それは見事! 早緑の木々の中に赤紫のコバノミツバツツジ,似合いすぎます.タムシバも少し残っており,クロモジ,シキミ,キブシ,ツバキなどの花も楽しめました.
もしも絵心があったなら・・・
もしも俳句が詠めたなら・・・,
この感動を残せるだろうになぁ.
左から,シキミ,キブシ,ヤブツバキ
ちなみに,大原野森林公園は,面積133.98ha(京都市最大の都市公園),開園日は2000年.京都市の西南端にあるポンポン山の北側斜面の里山を,自然を活かし人と自然が触れ合える場として開園した公園で,基本テーマは「自然そのものが公園」とのこと.シカに草やササを食べつくされ,イノシシに掘り返されてぼこぼこになった箇所も少し見られたけれど,貴重な山.森の案内人さんたちのおかげです.
奈良と大阪から来たという若い女性2人が道に迷っていて,一緒に山を下りることにしました.無謀な計画で登ってきた二人に,「若いっていいなあ」とリーダーがしみじみ.
帰路は,金蔵寺側へ降りて,南春日町経由で長岡京へ.
15:00,古刹光明寺の新緑を眺めようと立ち寄りました.浄土宗総本山で,法然上人が初めて念仏の教えを説いた「浄土門根元地」として知られています.西日が当たり瑞々しく輝くモミジの参道の新緑.本堂へ導いてくれる幅広いなだらかな石段や,本堂の造形美も魅力的なお寺でした.
15:40 JR長岡京駅着,解散. 編集者による追記: 筆者が下車した後,下山で出会った二人は筆者やリーダーと縁のある方と判明しました.奇遇です.
この例会では次のような植物のの写真も撮りました.
左から,マムシソウ,ミツバ,ヒイラギ 左から,フタバアオイ(?),幼いスギ,レンプクソウ 左から,ウバユリ(?),チゴユリ,ノブキかな?オタカラコウかな? 左から,ヤマエンゴサク,エイザンスミレ,アセビ
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