Latest update: August 12, 2019
ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2012 Vol. 112 「シンボルツリー & シェードガーデン」 |
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多くの外国では庭を重視した住宅設計をするものである。しかし、日本の住宅事情では、どうしても建物中心で庭は後回しされるか、無視されることが多い。日本の都市住宅には、小さな門とガレージ、そして少しの花壇がついている。郊外になると、もう少し空きスベースがあるので、庭を作ることができる。最近、ガーデンデザインについて相談されることが多いのだが、最初に相談されるのが、玄関前のシンポルツリーである。シンポルツリーは、落粟広葉樹に特徴のあるものが多く、花や樹形の美しいものから、香りや、紅葉を楽しむ種類が多く住宅の個性も出しやすい。落葉で苦情の出そうな所では、やむを待す常緑樹か針葉樹を植えることになるが、洋風の木が少ないうえに家のテザインや、カラーに合わせるのに苦労する。時には、住宅の都合で北側に庭を作ることもある。半日陰または、ほとんと影の場所に庭を作ることをシードガーデンというが、これもまだ、穎物の種類が限定される。和風の庭なら、山野草に日陰を好むものは多いのだが、、、。洋風で日陰に強いのは、ユキノシタ科のヒューケラ類、ティアレア、アスチルベ、等であろう。キンポウゲ科では、秋明菊類、アネモネ類、クリスマスローズ類なとがあり、ヘリクリサムや、サクラソウ類も意外と日陰に強い。ハーブでは、レディースマントルや、ラングワート、シルバーデットネトル、べロニカ類も比較的日陰に強いものが多い。シェードガーデンを少しでも明る<するために、白筋や白班の入っだギポウシ類、シルバータイム、バイプップルミントなどのように、葉緑素の少ない班入りと呼ばれる植物は日陰向きである。植物にかかわっていると、住宅の庭を見る癖がついてしまい、センスのないシンポルツリーや、手入れのない庭を見ることもあり、また、見季な植栽に出会うこともある。時にはその住人の性格や、ライフスタイルまで見えてくるからおもしろい。
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ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2012 Vol. 111 「厄介な植物」 |
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ハーブ入門講座では、ます丈夫で矢敗のないミントを勧める講師が多い。ミントは、フルーツ系とスペアミント系そして、ペマーミント系の基本にそのほかのミントと、4グループに分けることができる。私の知るところでは、20種類ほどであるが、いすれも薬用、風呂用、お茶用、料理用、ポプリ用等と利用範囲が広いこともあって、勧めやすいのだろう。しかし、この繁殖力の強い植物は、ガーデンを占領してしまうだけでなく、ほかのミント類と交配しやすいので、判別のつかない香りのものが、出現してくることになるのである。最近では、この厄介もののミントに代わるハーブとして、カラミンサや、マウンテンミント類が、好まれるようになってきた。ミントと同じ利用価値があり、花も美しく、株がゆっくりと広がるので、管理が楽なのである。強力な地下茎で緊殖するものは、他にもある。ハーブ類では、ソープワート、アカネの仲間のウッドラフも一度植えると取り除くことが困難である。また、サルピアの仲間のポッグセージ、コルッフット(ふきたんぽぽ)も至るところから出現してくるので厄介である。ハーブ以外では、月見草ピンク。根と種子で攻め立ててくるので、腹が立つほどである。
ガーデニングを楽しんでいると、いろいろ見えてくるものがある。イネ科の植物や、ブルーベリー等は酸性を好むものだが、多くの植物は中性に近い土壌を好むため、私は、1ヘーベルあたり、2?以上の「くんたん」を入れている。くんたんは消石灰や、苦土石灰と違って、土を粘土質化しないないことと2、3年はペーハーコントロールしてくれ、さらに直接根に触れても根やけをおこさない優れものである。年々酸性化する雨によって土壌は酸化が進み、ドクダミ、スギナによい環境になっていく昨今、追い打ちをかけるように、温暖化も進むので、亀岡あたりのヒメオドリコソウのt種子も風に運ばれ美山町あたりまで勢力を伸ばしてきたようである。ガーデニングを楽しむということは、ある意味変動する自然界との戦いでもある。
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ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2012 Vol. 110 「霊上歩行具」 |
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世界中の雪が降る国ではそれぞれの雪上歩行具というものがある。
北欧ではノルディックスキー(クロスカントリースキー)が主流であり、アラスカやカナダ北部では身の丈ほどのスノーラケットと呼ばれるスノーシューを使う。まだ日本では雪の多い地域の猟師が使う、雪わっぱ芦わっぱ又はカンジキと呼ばれるスノーシューが古くから利用されている。
最近スノーシューハイキングが流行っているようだが、どうもアウトドア業界の陰謀のように思えてならない。アウトドアショップでスノーシューコーナーを見てみるとプラスティックや軽金属でできた西洋スタイルばかり。価格も2万前後するし日本のものに比ぺ重量もある。
いすれにしても雪上歩行具というものはその国の雪質や地形によってデザインされている。しだがって日本伝来のカンジキも見捨てだものではない。
私が美山で猟師をしていだ時はクロフジを便った軽くて丈夫なカンジキを愛用していたし、冬山登山現役の頃は荷重にも耐える医王山のカンジキを使っていた。いすれも最近のスノーシューよりはるかに軽い。
スノーシューはとんな雪でも良いという訳でもなく、その本領を発揮するのは春の言である。春の雪は和葉子にちなんだ「モナカ」と言われる雪がある。雪面は硬くしまり中はやわらかいもので、ツボ足で歩くと非常につらい歩行となる。この雪の表面をカンジキで歩くと笑いが止まらないぽど歩きやすい。また残雪や、やや絞った雪の歩行は快適である。一月二月のやわらかい深雪のスノーシューハイクはもがき苦しむことを忘れずに。
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