Latest update: August 15, 2019

ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2013 Vol. 115
「ウッドクラフト」
 カントリーライフを実践してから来年で30年になる。
 まったくの素人から我家のログハウスを達てたのを皮切りに他人の家を20軒以上建てただろうか。そんな経験のおかげでチェンソーワークや木工貝の取り吸いは巧とは行かないもののペテランの域には逹したと思う。又10件以上の造園経験からもデザインの重要性等を学ぶ事が出来た。しかし「はっ」と気が付けばもうすぐ70才。
 建築にしろ造園にしろ気力と体力が無ければ続けられないので数年前から家貝や庭のオフジェ等ウッドクラフトに力を入れている。特に面白くて奥が深いのは家貝作りである。私の作る作品は「ラステック家貝」と言って田舎風,質素,飾り気のない,組削りと言う意見。すなわちカントリー風なのである。
 英国のウインザーチェアが日本で展示販売されたのが昭和の始めである。まだまだ畳生活が多いなか日本の家貝職人逹に大きな刺激を与えたに違いない。私が椅子の美しさや奥深さに心奪われたのは1982年に出板された「三四郎の椅子」に出会ってからである。作者は松本民芸家貝の創始者である池田三四郎氏で各国の椅子コレクションの中から代表的なものを写真紹介しているものだ。今でも私の椅子作りのバイプルである。
 ヨーロッパやアメリカで作られる曲げものを使ったウインザーチェア又アーリーアメリカンと言われるものから原木を削った椅子まで世界にはさまさまな椅子がある。最近の北欧家貝ではスチールやブラスチック、木材、化学繊維等を組み合わせたモダンな家貝が作られている。しかも基本と成る人間工学的デザインは取り入れられている。
 私の作るラステックチェアも例外では無い。
 座面の角度は水平の0°から15°までの5°づつ。すなわち四段階を星本としており、背もたれ部分は90°から130°までの8段踏とし座面と背面の角度の組み合わせにより使用目的の快適性を追求するのである。


ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2013 Vol. 114
「ミツバチ」
 蜂の多くはチョウやガの幼虫を捕らえて食べる肉食系が多く、花のミツや花粉を築める草食系である花バチの仲問は少数である。養蜂家のスーハーベル氏は「ミツバチと暮らす四季」の旨頭から「四十年近くミツバチ無しで生きてきた。とうしてか分からない。誰もがミツバチの巣箱を二つか三つ持つべきだと思う。ミツバチを飼うのは犬や猫を飼うよりも簡単だ」と少し大げさな感じが有るが少なくともカントリーライフを楽しむ者にとっては一つの目標でも有る。
 私のミツバチの先生は能勢のの坂上さんといって地元の養蜂を広めた張本人である。私は先生から蜂の入った実績の有る古巣を二つ分けてもらったのは二年以上も前である。待てど暮らせと蜂が入る気配もなかったのだが、な!なんとこの春からニホンミツバチが入ってくれた。大感激である。毎日見ているとミツバチの体は花粉集めにとても都合よくできている。後ろ足には平たい部分が有つて廻りには沢山の毛が生えている。ちょうとカゴのようになって、ここに花粉を溜めるので花粉カゴと呼ばれている。体中についた花粉を六本の足で集め足をこすり合わせて後足に送り花粉カゴを作る。さらに観察すると花にとまる前に口を伸ばし前足でしごいている。これは足を湿らせて花粉が付きやすくするための勁作で実に面白い。
 昔の昆虫図鑑を見るとミツバチは成虫になるとすぐに部屋の掃踪をするらしい。2日~3日すると大きい幼虫にエサを配り5日~6日で小さい幼虫に乳をやり、12日~13日すると体から出すミツロウで巣作りの作業に入る。18日~19日たつと入口付近の番兵に立ち21日を過ぎると花粉とミツを集めに野外に飛び出すのである。こうして大量の成虫又は幼虫の中から次の女王蜂が選ばれたら古い女王蜂はほとぽどの雄蜂と共に新天地へと分蜂して行くのである。
 昔のJAP-VOICEに少し書いたが花と昆虫の関係は数百万年前から行われている事で花の色も香りも甘いミツも植物の生きる為の手段である。毘虫学者のカール・フリッシュはミツバチを使って色の識別能力を調べたが人問が赤色と感じている波長をミツバチは感じることが出来ない事がわかった。赤い色はミツバチにとって色でなく黒っぽい灰色としか見えないのである。しかしその代わり人問が感じることの出来ない紫外線を鮮やかに感じとる能力を持つている。ミツバチには白い花が紫外線の補色である青色に見えるそうである。ミツバチは青色を好むという実証は他でも行われているが、花の色に白や青や黄色が多く赤色が少ないことから考え合わせても興味深いことである。


ドクトル浅野目のネイチャートーク:VOICE 2013 Vol. 113
「犬ゾリ」
 JAPVOICE87号の「動物と暮らす」ではアラスカの犬遥の事を書いている。
 フィンランドの北部ラッブランド地万でも犬は大切な生活パートナーである。犬種は詳しく分からないがハスキー系の混血種が多い様に思われる。ペットとして日本に輸入されているシベリアンハスキーより少し小型ながら力強い走りを見せてくれる。2人乗りのソリでは5匹。1人ならチョットした同物と共で4匹又は3匹でソリを引ける。トップを走る大はメスで頭の良い大をセットし、最後尾は力持ちでメスの臭いが大好きな犬が理想的である。私も以前アラスカンハスキーのリーダー犬を育てた事があるが、冬は雪の中で寝ていたし大ゾリの陸上トレーニングであるギグレース(マウンテンバイクを犬で引かせる競技)にも出場した事があるので良く解るのだが、とにかく走る事に喜びを持っているのである。犬ゾリツアー中、少しの休憩中でも早く走れと言わんばかりでうるさい。だから休憩中はしっかりとしたアルミ製のアンカーを打ち込むか、樹木にアンカーを取らなければソリごと持っていかれる事がある。2人乗りの場合はソリに重量がかかる分下り坂では大よりスピードが上るので片足でプレーキ板を踏まなければならない上に急カーフが現れるとソリを身体でしならせコントロールするのだが、そこへ悪い雪のコプが現れるとマッシャーは大騒ぎとなり大汗をかく事になる。ソリのテールはクロスカントリースキーの様に細かく後方に2本突き出ている。そのテールに片足づつ乗るわけだがエッジングを利かす為、右足に乗り込んだり左足に乗り込んだりして片斜面のづれを防ぐ操作が必要だ。大ソリの操作は半日ほどでマスター出来るが北極の冬は半日ほどで暗くなってくるので調子が出てきた頃にはツアー終了となる。ツアー中犬逹は走行排便を行うが、小便の場合は後片足を上げ3足走行しながら行う。複数の犬が同時に排便した潟合、ソリの中央にあるプレーキ板を踏んだり転倒するとうんこまみれに成る事がある。走るのが好きな犬とは言え登り坂になると速度が落ちるのでマッシャーは片足で雪面を蹴ってやらなければならない。
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